親知らずの抜歯
親知らずの抜歯と聞くと、とても痛そうですが、痛くなく出来る方法はないのか?・・・ありません。
抜くときは、麻酔をするので、痛くありません。麻酔が結構
痛いです。
親知らずと言っても、上の歯の場合は他の歯と一緒で、抜いた後の痛みも、それほどではありません。痛いのは、下の歯です。親知らずが痛いと言うのは、普通、下の親知らずの斜め後ろの歯茎がはれて痛む場合の事です。勿論、虫歯で痛む事もありますが、それは親知らず特有の痛みではありません。
下の親知らずが、顎の中にきちんと生えるだけのスペースがない為に、肉が被っている部分に菌が入ってしまい、そこへ上の歯が噛んだりして、歯肉が炎症を起こして腫れるのです。
そこへ、注射する訳ですから、痛いわけです。
麻酔の痛みを最小限に抑える為には、事前の、表面麻酔と極細の注射針が必要です。
麻酔が効いてさえしまえば、後は楽勝です。でも、歯をグリグリ動かす時のあの感覚は、なんとも言えない、嫌な物です。最後に抜ける時の感じも、一言では言いあらわせません。
抜けてしまえば、一安心なのですが、一時間ぐらいすると、麻酔がきれてきます。痛み止めをうんと飲んで耐えるしかありません。
しかし、抜いた後の痛みは、ある程度は必ずあるものの、千差万別で、全然痛くなかったよと言う人も結構多いのです。痛い場合でも、長くて半日位です。
あっ、忘れてました。親知らず、特に下のを抜いた後になりやすい、すごーく痛い状態を。それは、ドライソケットと言って、抜歯後2〜3日目から出てきます。痛みは、通常2〜3週間逓減しながら続きます。これになると、たちが悪くて、痛みを確実に取る方法がありません。抜いた場所の骨が露出してしまうのが原因です。通常は、歯を抜いた後の穴には、血液が充満し、それが凝固してから器質化という変化を起こしてから、その中に組織が出来てきます。ところが、ドライソケットの場合、血液の塊がなくなってしまい、骨が丸出しになってしまいます。そうなると、生きている骨の面に対して、保護する組織が無いのですから、痛いわけです。対処方法としては、もう一度麻酔をして、骨をガリガリやって、出血させて血液の塊を作るのですが、既に痛い思いをしているので、患者さんは嫌がります。それに、一度そうなった人は、再度血液の塊が無くなりやすいのです。レーザー照射、イオン導入、鎮痛剤の封入なども方法としてはあるのですが、確実に効くとは限りません。暫く、痛み止めが手放せなくなります
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一番後ろ、真中から数えて
 8番目の歯が親知らずです
放っておくと、腫れて
しまう事もあります