レーザー治療について
歯科で使われているレーザーは大きく分けて2種類あります。
     ハードレーザーとソフトレーザーです。
ソフトレーザーは主にヘリウムネオンレーザーと半導体レーザーです。ソフトレーザーは、名前の通り、出力の小さい種類のもので、使用範囲が限られています。その分リーズナブルな値段ですが。現在、一般的には歯科でレーザーと言うと、ハードレーザーの事です。
歯科の仲間同士で”「あいつの所、レーザー買ったんだって」”と言う場合は、ハードレーザーの事です。
ハードレーザー自体はかなり以前からあったのですが、機械自体が非常に高価でかつ大きかったので、なかなか一般の歯科診療所には普及しませんでした。最近、以前の一台1000万円以上というバブリーな状態も終わり(それでも高いですが)、機械も小さくなってきたので、やっと一般の歯科診療所にも、普及し始めた(感覚的には全体の5%ぐらい、都市部ほど多い)ようです。
ハードレーザーは、これまた何種類もあるのですが、一般的なものというと
       Nd−Yag(ネオジウムーヤグ)レーザー
       Er−Yag(エルビウムーヤグ)レーザー
       炭酸ガスレーザー
       半導体レーザー
       アルゴンガスレーザー
                 などがあります。
当院で使用しているのは、Nd−Yagレーザーです。このレーザーの特徴は、応用範囲が非常に広いことです。
  1)歯周治療(歯グキの治療)
  2)歯内治療(歯の中の神経の治療)
  3)メラニン色素の除去(歯グキがやけに黒ずんでいるのを治す)
  4)レーザー麻酔(Nd−Yagレーザーには、麻酔作用があります。)
  5)漂白(歯が変色している場合の漂白にレーザーを併用すると効果大)
  6)軟組織の切開、切除(切ったり、取ったり)
  7)歯質の強化(レーザー照射により、歯の表面性状が変わり、強化されます。)
  8)歯の切削(少量のとき)
  9)口内炎の治療(これはすごい効果で、その場で痛みが消えてしまいます)
 10)入れ歯が当たって痛い(口内炎の場合に近い効果があります)
 11)止血
 12)その他etc.
など、数え上げればきりがありません。
では、Nd−Yagレーザーで万能なのかと言うと、そういうわけではありません。
それぞれのレーザーには、得意不得意があります。
Nd−Yagレーザーは、一般的な歯科の治療である1)2)は大得意ですが、6)はそれほど得意ではありません。8)に関しては実用的ではありません。
6)を最も得意とするのは、炭酸ガスレーザーで6)に関しては、総合的に最も優れています。でも、切開線の正確さでは普通の電気メスにはかないません。処置後の治癒の状態が優れています。
8)に関しては、Er−Yagレーザーが最も優れていますが、効率の悪い作業です。また、型を取るための削り方は不可能だと思います。6)の作業も得意ですが、止血作用がほとんど無いので、処置がしにくい面があります。
出来れば、全ての機種を揃えたい所ですが、なにしろ金額が金額で気軽に買えるものではありません。狙っているのは、当院のレーザーの不得意とする所を、最もよくカバーしてくれる炭酸ガスレーザーです。Nd−Yagレーザーで60%、炭酸ガスレーザーで30%の適用範囲で、のこり10%が他のレーザーではないかと思います。
トップページ
当院で使用している
ハードレーザーです。
細かい設定ができて
冷却用のエアーも付いています。
デザインもドラえもんみたいで
グッドです。
レーザクラス
クラス4レーザ製品
レーザの種類
Nd-YAGレーザ
波長および領域
1064nm(赤外線不可視光)
最大出力
7.2W
エネルギー/パルス
20〜200mJ/パルス

パルス幅

90μs
パルス/セカント
10〜100pps
重量
49kg
スペック紹介(何の事だか解かりませんよね)
グッドデザインマーク
グッドデザイン賞
受賞だそうです
単にNd-Yagレーザーといっても出力特性により違いがあります。
当院で使っている機種は、パルス幅が極めて小さいため、放熱が最小限に抑えられ、熱による為害作用も少なく、レーザー光の有効部分を効果的に最大限に使えます。
独り言・・・炭酸ガスレーザーがあればもう完璧、早く欲しいけど、先立つ物が・・・。